令和4年度 農業・工業原材料生産と光技術研究会

ホーム事業について研究事業農業・工業原材料生産と光技術研究会令和4年度 農業・工業原材料生産と光技術研究会
テーマ:「農業の脱炭素化を目指した土壌機能の解明と光技術の応用」

日時

令和4年10月4日(火) 13:00 - 16:35

会場

ホテルクラウンパレス浜松 4階 芙蓉の間 (Zoomウェビナー併用)

プログラム

(敬称略)
時間 演題 講師
13:00 - 13:05 開会・主催者挨拶 公益財団法人 光科学技術研究振興財団
13:05 - 13:10 趣旨説明 柴田 大輔 京都大学 特任教授
13:10 - 13:50 【基調講演】
資源循環の最適化による農地由来の温室効果ガスの排出削減
南澤 究 東北大学大学院 生命科学研究科 特任教授
メタン(CH4)と一酸化二窒(N2O)は非CO2の温室効果ガスであり、地球温暖化を1.5度に抑えるためには、これらの人為的排出も削減する必要がある。水田はCH4の排出源であり、人為的CH4排出源の約1割に相当する。N2O の人為的排出源の約6割が農業由来である。本講演では、微生物と作物の改変による農業由来の温室効果ガス排出削減を実現するための研究を紹介する。温室効果ガスと微生物機能の可視化が本領域の発展に重要である。
13:50 - 14:20 【一般講演】
作物による土壌の硝化抑制で地球環境にやさしい効率のよい食料生産を
吉橋 忠 国際農林水産業研究センター
BNIシステムプロジェクト プロジェクトリーダー
生物的硝化抑制(BNI)能を持つ野生コムギ近縁種であるオオハマニンニクとの属間交配により、BNI強化コムギを開発した。BNI強化コムギは圃場において、土壌中のアンモニア態窒素の硝化を遅らせ、その土壌中濃度を向上させ、低窒素環境でもコムギの生産性が向上し、コムギの窒素利用効率が向上する。今後、世界第2位のコムギ生産国であるインドでの実証試験とあわせ、他の畑地穀物のBNI強化を実施してゆく。
14:20 - 14:50 【一般講演】
 根圏土壌の酸化状態を可視化する! ~2次元酸素オプトードによる酸素イメージングの挑戦~
塩野 克宏 福井県立大学 生物資源学部 准教授
我が国の農業の脱炭素化のため、水田から放出されるメタンの抑制が求められている。水を張った水田では、酸素濃度の低下により土壌の還元化が進んだ結果、メタン生成菌がメタンをつくる。低酸素状態の還元土壌を生き抜くため、イネは酸素通気系を発達させ、「地上部から酸素を根に届ける」とともに「根圏を酸化して根を保護」している。メタン発生とも関連深い、イネ根圏の酸化状態を把握すべく、私たちは非破壊で植物の酸素濃度分布を可視化できる光化学センサ(2次元酸素オプトード)を我が国で初めて確立した(Shiono et al., Front Plant Sci, 2022)。本発表では2次元酸素オプトードの原理とその応用例について紹介する。さらに、2次元酸素オプトードを用いた研究から予想される、動的に変化するイネの根系酸化モデルについて皆さんと議論したい。
14:50 - 15:00 休憩
15:00 - 15:30 【一般講演】
中赤外量子カスケードレーザ(QCL)を用いた精密分光によるガス計測
秋草 直大 浜松ホトニクス株式会社
レーザ事業推進部
量子カスケードレーザは、波長4 µm~15 µmに発振波長を持つ中赤外の半導体レーザです。極微量濃度や同位体ガスの計測用光源として普及しています。近年では、1 µm を超える波長スキャンが可能な外部共振器型のQCLも実現されています。農耕地土壌における脱窒の精確な推定が可能となる一酸化二窒素(NNO)の同位体計測、圃場から放出されるメタンガスの遠隔計測などの応用例を織り交ぜながら、QCLを用いた中赤外分光の将来展望を概説します。
15:30 - 16:00 【特別講演】
SDGsに貢献するバイオエコノミー ~各国の動向と我が国の方向性~
坂元 雄二 日本バイオ産業人会議 事務局次長
バイオエコノミーは、生物資源を活用した製品やサービスにより、地球規模の課題の解決に貢献しつつ、産業や社会を発展させる新たな仕組みとして注目されている。例えば、温室効果ガス削減、食料増産、健康増進、地域振興に貢献できる。一方で、バイオエコノミーにおいて、国際的に一定の地位を確保するためには、データ連携や合成生物学などを長期的な視点で推進するとともに、社会全体の変革をどのように進めるかの議論が必要である。
16:00 - 16:05 休憩
16:00 - 16:35 総合討論 座長
柴田 大輔
京都大学 特任教授
16:35 閉会 公益財団法人 光科学技術研究振興財団
※プログラムの内容は変更する場合がありますので、あらかじめご了承願います。講演時間は、質疑応答を含みます。

参加申込方法

会場参加を希望される場合(申込順30名様まで)
件名を「農業光研究会 会場参加希望」としたEメールを、本文にご氏名、ご所属・役職、連絡先電話番号・Eメールアドレスを記載して、財団事務局(info@refost-cs.or.jp)へお送りください。

Zoomウェビナー視聴を希望される場合(申込順500名様まで)
以下のURLより参加登録をお願いいたします。
https://zoom.us/webinar/register/WN_EPTR3EnqSuiUpl_Xaybuew

申込期限

令和4年9月28日(水)

個人情報の取り扱い

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